お勧めのロームの無線モジュールの探し方

ワイヤレスデバイスの企画を開発段階に移す場合、初めにやるべきことは適用する通信規格の選定です。判断材料として大きな割合を占めるのが電源形式と運用形態。電源形式とは、簡単に言えば商用電源を使ってよいかどうかの判断です。コンセントや太陽電池からの受電が不可能で、バッテリー内蔵を前提とするアプリケーションなら、搭載可能なバッテリーの大きさと持続時間を指します。運用形態は主に通信距離、通信環境とデータ容量です。開発方針として短期開発を重視するなら、ある程度の機能がパッケージ化された無線モジュールを利用するのが圧倒的に有利です。特にロームのアンテナ内蔵型モジュールはそれ自体が既に電波法に則った製品であり、電気通信事業法に基づく、いわゆる技適認証を取得済みなので、国内で使用する限りは製造後、直ぐにフィールドに持ち出せるメリットがあります。

データ転送レートと安定性第一で選ぶならWi-Fiモジュール

大容量のデータ伝送、あるいは常時接続が必須なら、実効転送レートが50Mb/sに達するWi-Fiモジュールを使うのが確実です。ロームの場合、単機能モジュールからMCU搭載型まで揃っているので、その中から開発するアプリケーションに合わせて最適なモデルを選ぶことができます。ただし、Wi-Fiは低消費電力にはあまり縁の無い規格です。商用電源を使うか、頻繁なバッテリー充電または交換作業が許される用途でなければ適しません。通信距離は最大で100m。直進性の強い2.4GHz帯の電波を使うので、最大距離付近で使う場合は間に障害物がないのが前提です。チップアンテナ内蔵のモデルは、別途技適認証を取る必要がないのが特徴ですが、無線モジュール上にはアンテナ切り替え器兼用の同軸コネクタが取り付けられています。そのため、外部アンテナの追加が容易な点も大きなメリットです。なお、外部アンテナを用いた場合は改めて技適認証を取る必要が生じます。

低いレートで低消費電力が条件の場合

ロームが扱う低消費電力アプリケーション向け無線モジュールは、Wi-SUNモジュール、ZigBee®モジュールとBluetooth®Smartモジュールの三種類です。Bluetooth®Smartはブルートゥースの仲間ではありますが、ベースとなる規格を低消費電力化し、それと引き換えに転送レートを低くしたものです。そのため、音声転送などに用いられてきたBluetoothクラシックとは互換性がありません。セキュリティーは強くはありませんが、その分接続が簡単なのでパーソナル機器に向いています。ZigBee®もWi-FiやBluetoothと同じく2.4GHz帯を使用する無線通信規格です。ネットワーク内のノード数が65536と大きく、転送レートは数100kb/s。通信距離も1km程度はあって、データの秘匿性も比較的よく対策されています。Wi-SUNは言わばZigBee®の900MHz帯版です。転送レート、通信距離ともに理論上は同等ですが、サブGHz特有の電波の回り込み現象が使えるのが強み。そのため、障害物を考慮しなければならない計測データ転送用に最適です。